春の精油

A&P LE JOURNAL MAI 2021

本日ご紹介するのは、ベイローズです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油を探し求めています。この清々しい春の日に、ぜひあなたにご紹介したいのがベイローズの精油。やさしさとわずかなフローラルの香りの、ペッパーほどの鋭さのない精油です。フレッシュで、活気づけられるような香り。溌剌とした気持ちにしてくれます。フローラルノートと組み合わせることで、香りにピュアな印象やセンシュアルな印象を与えてくれる精油です。

あれはレユニオン島を春に訪れた時のこと。ぎっしりと実のなる頭をもたげた木々のシルエットをみて、私は離れた場所にいたのですがそれがベイローズの木だとすぐに気がつきました。実をつける前に咲かせる花は密集して、デリケートな香りを放って咲き、やがてそこにベイローズの核果がなります。

 

BAIE ROSE(ベイローズ)

Schinus Terebinthifolius

科名 : ウルシ科
採油部分 : 果実
収穫時期 : 56

 

ベイローズの原産は南アメリカ。ピンクペッパーとか偽コショウ (faux poivrier) などとも呼ばれています。植物が繁殖しやすい熱帯地、トロピカル気候の様々な地に受け入れられてきました。そして現在、レユニオン島とマダガスカル島がこのスパイスの主産地となり、この木が自生しているという状況です。

学名のSchinus は、ランティスクを意味するギリシア語「schinos」に由来します。これは、この木がランティスクの樹脂によく似たヤニを作るから。そしてTerebinthifolius は、ピスタチオの葉を意味します。

インカでは、万能の薬とみなされていました。インドでは、熟した実はお湯に浸され、苦みのある中心部分を避けてスイートな甘みだけを人の手によってしっかりと絞り出した煎じ薬が作られていました。そして34日保管された後、尿失禁と膀胱疾患の治療のために使われました。樹皮を似て得られる液体は、脚の腫れや痛みを和らげるために使われ、樹脂と葉は、傷や潰瘍の治療を助ける非常に優れた処方とされていました。

インカではまた昔から、小枝を歯の治療に、樹脂を下剤として、ヤニを点眼薬として、葉と実を関節痛のための軟膏として、と様々に用いられてきましたが、現在でも一部のアンデスの治療師が使っています。そしてペルーのアンデス地方では今、ベイローズは地ビール「シーシャ」の製造のために使用されています。

ベイローズはウルシ科の木で、高さ15メートルになることもあります。葉からはコショウのような強い香りが放たれ、それは私たちにテレビン油を思い起こさせます。けれども花の香りはまろやかで、繊細な味わいのはちみつが取られているのです。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :黄色の液体

主成分:アルファ・ピネン、アルファ・フェランドレン、デルタ-3-カレン、リモネン

使用方法:フレグランス類、化粧品類

Jean-Claude DEYME